禅宗物語
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羅漢を供養する

無学(むがく)禅師が山に住んでいた頃でした。ある日、羅漢(らかん)に供え物を奉げて祭りました。ある僧侶が「丹霞(たんか)禅師は木の佛を燃やしました。禅師はなぜ羅漢に供え物奉げて祭ったのですか。」と聞きました。

無学禅師は「燃やすのに燃えない。供養(くよう)も供養に任せる。」と答えました。

その僧侶はまた「羅漢を供養すれば、羅漢が又やって来ますか。」

無学禅師は「君は毎日食事するだろう?」と反問しました。

僧侶は何も言えず、黙っていました。無学禅師は「霊利根<宗教的素質・能力がすぐれていること>が少ないなあ」と嘆息をしました。


 

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