霊隠寺の客堂(かどう)は天王殿(てんのうでん)と大雄宝殿(だいおうほうでん)の東側に位置しています。正門には「客堂」の額が掛かっています。
客堂は寺院の日常の仕事の重要な殿堂の一つです。対内的と対外的な役割があります。対内的な役割の場合、寺院の僧侶たちの出勤状況を把握し、戒律を守り、および各殿堂間の管理上の協調を行います。対外的な場合、来賓、居士(こじ)、外来からの僧侶等との連絡を担当します。言わば、内務と外務を一体化した寺院部門です。
客堂の主な仕事は知客(しか)、僧値(そうち)、寮院(りょういん)、書記(しょき)、維那(いのう)及び知客を補佐する照客(しょうか)などがあります。知客とは、客堂の主な担当者で、寺院と外側との連絡係であり、寺院と外の世界の繋がりをになます。僧値は「糾察」とも言われ、主に方丈(住職)に代わって僧侶たちの日常の威儀(礼儀に関する細かい規則)、勤行(ごんぎょう<時を定めて仏前に読経、礼拝すること>)、行堂(ぎょうどう)といった戒律面の監督と検査を担当します。寮院とは(りょういん)、雲水堂(うんすいどう)の担当として、客堂に仮住みに来た雲水僧(行脚僧)へのもてなしを担当します。書記とは、寺院の文案の仕事を担当します。維那とは、寺院の行事で僧侶たちを率いて礼賛(らいさん<仏、法、僧を礼拝して、たたえる>)を唱えます。照客は知客の仕事を補佐します。
霊隠寺の客堂は二つの事務室に分かれます。一つは日常的、内部的な事務を処理する所で、もう一つは寺院の対外的な諸事務を処理する所です。
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