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韬光禅師

 

韬光禅師(とうこうぜんじ)(生没年不明)、本籍は四川です。唐穆宗年間、禅師は外へ行脚に行く前に、師匠に「天に遇えば留めるべく、巣に遇えば即ちに止まる」と言い付けられました。そして、霊隠山の巣構塢(そうこうう)に至ると、韬光法師はさっと悟り、師匠が語った言葉を思い出しました。「巣構塢」には「巣」という字が含まれています。また白居易は字が楽天で、当時すでに杭州刺史に就任していました。そこで、韬光法師は直ちに霊隠山の巣構塢に泊まって行脚を止めることにしました。その後、霊隠寺の巣構塢に住んだ韬光禅師は白居易と詩友となり、親しく付き合っていました。

ある日、白居易は「韬光禅師への招請」という詩を書き、韬光禅師を招待しようとしました。

    白屋炊香饭(粗末な家で仏僧の食する粗末な飯を炊き)

    荤膻不入家(生臭い匂いは家に入れない)

    滤泉澄葛粉(泉を濾して、葛粉を澄まし)

    洗手摘藤花(手を洗って籐花をつむ)

    青芥除黄叶(からし菜の黄色い葉を除き)

    红姜带紫芽(紅しょうが、むらさき芽を帯びている)

    命师相伴食(師に命ず、相伴して食し)

    斋罢一瓯茶(斎が終わったら、一杯の茶はいかが)

すると、韬光禅師は「太白守斎を辞す」という詩を以って断りました:

  山僧野性好山林(山僧は野性で山林を好み)

  每向岩阿倚枕眠(常に岩石に向かって枕に凭れ眠っている)

  不解栽松陪玉勒(松を植え玉勒に付き添うのが解けなく)

  惟能引水种金莲(唯だ水を引いて金蓮を植えること能う)

    白云乍可来青嶂(白雲は忽ち青山に来ることができ)

    明月难教下碧天(明月は青天から降りることが難しい)

    城市不能飞锡去(都市は錫を飛ばすこと能はず)

    恐妨莺啭翠楼前(鶯が翠楼前で囀るのを妨すのが恐れる)

  その後、韬光禅師は霊隠の西峰に庵(いおり)を結びました。これが現在の韬光寺の元となりました。

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