霊隠文化

禅茶论坛 14 禅門の清規:仏家茶道の礼儀、詳解

礼儀の邦といわれる中国では、茶道の礼儀は代代にわたって相伝されている。朝廷の貴族や一般の民衆だけではなく、世間から離れている仏家も、この礼儀を重んじてきた。仏家の茶道の礼儀は、多く敬仏・仏事・接客のために用いられる。

 漢民族の寺院、特に禅宗の寺院には、ほとんど祖師堂が建っている。祖師堂には、三人の祖師が祭られている。三人とは即ち、宗派の創始者(例えば、禅宗のダルマ・慈恩宗の玄奘)と、宗派の創立に重要な役割を果たした僧侶(例えば、天台宗の智顗・禅宗の懐海)と、その寺院の創立者である。王景琳の『中国古代寺院生活』には、ダルマ師の祭日の前日、つまり旧暦の十月四日から始まる禅宗寺院の祀りの礼儀が詳しく紹介されている。

 祀りの礼儀は簡単で、香を焚き、礼拝し、お茶を供え、読経をするのであるが、これを何度も繰り返してやっていく。祭りの当日に夜の勤行が終ってから、鐘撞きを担当する僧が三回鐘を撞く。すると、僧全員が祖師堂に集まる。まず、住職が祖師に香を焚き、礼拝し、お茶を供えてから、僧全員が祖師に三回礼拝をして、維那師の後について読経・祈りをする。これで、一回目の祀りが終わる。第二回目の祀りは東の鐘が鳴った後に行われる。今度は主に祖師堂で読経と仏事をする。僧全員及び寺院の従業員が一緒にダルマ像の前で礼拝をする。第三回目の祀りは翌日の十月五日の朝の勤行の後に行われる。また鐘撞き僧は三回鐘を撞く。その音を聞いて、僧全員が祖師堂に戻る。同じく、住職が香を焚き、お湯を供え、お粥を供えて、お茶を供える。その後、維那師の後について「ナマ香雲蓋菩薩摩訶薩」を三回唱える。また『楞伽阿跋多羅経』を一回唱え、『変食呪』を十四回、『甘露呪』と『普供呪』をそれぞれ三回唱える。最後に、維那師はダルマが当宗を創立された功徳を讃え、僧全員が祖師を三回礼拝する。これで、この祀りが終わる。次の旧暦の十月四日・十五日がくると、再び上記のことを繰り返す。これをもって祖師を祀るとする。

 上記の儀礼の中に見られるように、祖師の祀りには、お茶を供えることが重要かつ欠くべからざる部分である。寺院では炊き祀りのころ、果物・精進料理の外に、香りのいいお茶も供える。お茶は、寺院の祀りの中で、確かに重要な役割を果たしている。

 お茶は、僧侶の修行生活で坐禅や仏談に役立ち、お茶の中から禅機が体験できる。また、寺内の和やかな人間関係の調整にも役立つ。特に年に一度の「大請職」(寺院の職務を担当するように住職から請求されること)の間に、数回にわたって茶会をする。ここにも礼儀に欠かせないお茶の不思議な作用が見られる。『中国古代寺院生活』ではこれについて詳しい紹介がある。

 新しく職務を担当する職務僧を決めてから、住職は新しく職務を担当する職務僧と退職した元職務僧を招き、茶会をする。お茶を飲みながら、退職した元職務僧に感謝の意を表すとともに、新しく職務を担当する職務僧に協力してもらうように頼む。また、鼓を叩きながら、茶礼を話す。翌日の朝、住職は最も地位の高い職務を担当する職務僧(首座と呼ばれる)をお茶を誘う。これについて、特別な礼儀がある。まず、住職の侍者がお茶の誘い状を予め書いておく。その誘い状は招待状のようなものである。書き方は以下のようである。

「堂頭和尚今晨齋退,就雲堂點茶,特為新命首座。聊旌陳賀之儀。所請諸知事,大衆同垂光伴

 今月X日侍司某敏白」

(住職が朝食の後、新首座のために雲堂で茶を点てる。祝賀の意を表そうとするものである。誘い状をもらった他の職務僧は喜んで同伴していただきたい。

今月X日、侍司某申す)

 新首座はこの招待状をもらって、慣習に従い、住職を礼拝する。そして、住職は自ら新首座を座席まで送り、お茶を捧げる。

 首座はお茶を飲んでから、翌日に寺内のほかの職務僧と僧侶全員を喫茶に誘う。ただし事前に住職の許可をもらわなけれはならない。でないと、人心を買う疑いが生じてしまう。首座もお茶の誘い状を書き、茶頭(茶の職務を担当する僧)に連絡し、これを僧堂の前に貼っておき、茶札(茶会があることを知らせる札)をかけておく。そして、みんなが集まるのを待ち、みんな一人ずつにお茶を入れる。

禅門清規では日常の喫茶と接客の方法が規範化されている。元の徳輝禅師が書いた『百丈清規』では、茶寮の礼儀、頭首(茶を点てる僧)が僧堂でお茶を点てることについて詳しく記載されている。寺院では来客を必ずお茶で招待するが、客の身分によってそのお茶が違う。どのように、どのようなお茶で招待するかは細かい規則がある。

『蠻甌誌』では以下のことが書かれている。覚林院の僧侶は、「接客には中等茶を、自分には下等茶を、仏様には上等香を。つまりもっとも上等なお茶は仏に供え、もっとも下等なお茶は自分で飲む。」各地の寺院には、次のような通例がある。普通の来客が寺院に来ると、知客が客堂まで迎え、普通のお茶を入れる。もし来客が布施をすれば、茶堂まで喫茶を誘う。来客は地位のある人、もしくは寺院の提供者である場合、知客が方丈室に案内し、住職が自ら来客とともに喫茶をする。それは寺院のお茶の接客で、もっとも高い礼儀とみられる。使われるお茶も最高のお茶である。

編集者:性恩行者  編集日付:2013-08-25

 

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